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都市のインフォーマリティ​

私たちの社会は、高度に体系化され、人々の暮らしを効率的で快適なものとするために 様々なレベルで管理を進めてきたフォーマルな社会(合法性)である。 東南アジアを例に述べると、屋外での仮設的な商業行為の場においては、例えば出店領 域をめぐって、適法であっても周囲から許容されない、違法であるが相互関係上は許容 されるといった状態が起こる。 それは法律や明文化された取り決めといったルールに 拘束されることのない、グレーゾーン的な場で、インフォーマル(非合法性)的である と言える。 そこでは、個体は各自の利潤を追求する方向に動くとともに、個を主体とし て、法とは無関係に自由なふるまいが観察される。 非合法ゆえに法律などの共通のルー ルが無効化された状態の自由さと、個体の相互関係のみに依存して自然に自生的な秩序 が形成される。

人口の縮小や空き家問題などが 顕在化している日本の都市において、一人一人の生き る力、創造的に世界と関わる力が、問われているのではないだろうか。輝かしい未来に 向かって、計画的に都市を作り出すことではなく、日々の小さな実践に目を向けそれら が連なりあって生み出す社会の姿を描くべき時に来ているのかもしれない。 

都市のオブジェクト

東南アジア調査で、路上の在り方は多種多様で屋台や辻などが多く見られた。日々の日常が路上に 滲み出ており、隙間をうまく活用していた。 都市の街並みは人々の日常の生活や行為がつくっているように感じた。そこには様々な道具や「も の」たちが、意図を持ってレイアウトされている。 まずは、東南アジア独特の風景や都市をつくる要素は何か。約 3000 枚の撮影した写真から、都市 のオブジェクトを切り抜いて並べたものである。

「もの」を切り抜きそのままの状態で並列して存在させることで、それら自体に語らせると同時に、

私たちならどういったレイアウトで路上へ出ていくだろうか。

「もの」を「再構築」し「もの」と空間との相互依存的な関係性に着目し、「もの」に対する既存の 概念をくずし、「もの」との新しい関係性を模索したい。

新しいチャンネル
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