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屋台ピット ー調査と実践から見えてくることー

私は幼い頃、実家の裏山に仮設小屋を作ったりして秘密基地をつくって遊ぶことが大好きだった少年である。本学、学部 3 年次 に瓜生山の中につくった山小屋「森の斜面小屋」もそうだが双方に共通することは自ら場所を選び、居場所をつくっていること だ。花見の時期になると、人々は桜の樹の下に仮設的な空間を作るように、建築というものは場所を与えられるものではなく自ら選びとるものではないだろうか。現代を生きる我々は、この場所を選び取る嗅覚というものがますます鈍っているように も思えてくる。

ほとんどの人が衣食住に苦労しない現代では、テクノロジーの進化により生活はますます便利になり 、生活 に必要な物も 、そうでない物であっても、たいていの物は誰でも手に入れることができるようになった。 生活は豊かになったかもしれない。だが、私たちがいるこの社会は豊かだと言えるのだろうか。ますます混迷の度を深め、閉 塞感が高まる現代へ向かっているのではないだろう か。現行の諸制度に対する不満が様々な形で噴出していることも確かである。

近代の都市空間は経済性と効率性を重視したマスタープランによってつくられており再開発が今でも行われるが、かつての日 本の都市空間では屋台や辻に並ぶ出店が多く見られ、生活の一部が路上で繰り広げられていた。高祖岩三郎氏が述べているよう に「都市化」には「楼閣」と「巷」という二つの要素を持っている。「楼閣」は大建築や交通機関などの基盤施設で、国家や資 本によって形成されるもの、「巷」は集合する人々の関係性が活性化したような状況、民衆の集合身体を指している。しかし、 都市部では 屋台が消えていき、「巷」が周縁に追いやられているのが現状である。以前、私は京都市の保健所や警察署にヒアリ ング調査を行ったが、日本の都市空間 ( 京都市 ) で屋台をするにはかなりハードルが高いことが分かった。私は今一度、日本の 都市空間に「巷」を復権させるため、かつての屋台がどのような生態系であったのか、現存する「巷」を調査するべく 、修士 1 年次の夏季休暇に東南アジア諸国都市部の路上調査研究を行った。そこには今もなお、息づいた「巷」が見て捉えられた。路上 の在り方は多種多様であり、屋台や辻などの出店が多く 見られた。日々の日常が路上に滲み出ており、隙間をうまく活用していたのだ。彼らは都市で生きていく術を体得しているようだった。

 

本展示では、かつての都市空間で見られた「巷」を復権するため、昨年の海外調査で発見した「都市部における屋台空間のネッ トワークと多層的共同体」に焦点を当て、2018/5/23-6/13 にかけて行った 2 箇所の都市 ( ベトナム・ ホーチミ ン / タイ・ バンコク ) における屋台の生態系調査報告及び、我々が京都市伏見区で実践を試みる「現代の港をつくる」プロジェクトと合わせた内容とし、屋台ピット屋台をつくるまでのプロセスを発表する。

​屋台の種類

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​4つの役割

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​都市の見え方

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​屋台の図式とネットワーク

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​屋台ピット詳細

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​屋台を作る道具

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​屋台の作り方

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